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ひと椀に映す江戸の面影 — 江戸すまし —
立秋を過ぎたとはいえ、まだ昼下がりの陽射しは名残惜しげに夏の熱を残しております。 個室をご予約くださったお客様へ、ひそやかにお出しする特別なお吸い物――その名も「江戸すまし」。 江戸時代の古い料理書には、赤味噌を溶いた汁の上澄みを“すまし汁”... -
餡子暦(あんこれき)— 今日も小豆と。
朝から、工房いっぱいに小豆の甘い香りが立ちこめています。夏場は気温や湿度に気を遣いながら炊くので、まるで天気予報士のような気分です。 さて、せっかくなので、餡子にまつわる豆知識をひとつ。実は「餡(あん)」という言葉、元々は中国語で「詰め物... -
暑さのなかでほっとひと息、新しい大福
連日の猛暑に、体も心もぐったりしてしまいそうな毎日ですね。そんな時こそ、ひとくちで心が和らぐような甘味があれば…と思い、このたび、新しい大福の試作をいたしました。 ご用意したのは、ふたつの冷やし大福。 ひとつは《抹茶クリーム大福》。もうひと... -
涼を運ぶ夏の花 〜クルクマのひととき〜
立秋を目前にしても、まだまだ暑さは続いております。日差しの強さに夏の盛りを感じながら、今日も涼を求めて、店の花を生け替えました。 今週の花は「クルクマ」。まるで蓮のような、どこか異国の香りも漂うその花姿は、一見すると南国の花のようですが、... -
琥珀の蜜、夏を呼ぶ
梅雨が明け、緑も日に日に濃くなってまいりました。遅ればせながら、かき氷の仕込みの季節がやってまいりました。 当店のかき氷は、昔ながらの「氷蜜(こおりみつ)」を大切にしております。一般的には氷砂糖と水だけで作るシンプルな氷蜜ですが、味の深み... -
暑中お見舞い申し上げます。
連日の猛暑、皆さまいかがお過ごしでしょうか。暑さの厳しい日は、つい冷たいものばかり求めてしまいますが、身体を内側から優しく整える甘味もおすすめでございます。 当店の桜水もちや団子、おはぎは、すべて店内でひとつひとつ丁寧にお作りしております... -
夏の団子、やさしいひとくち
今日も朝から、ぐんぐん気温が上がり、開店前から蝉の声がにぎやかです。まさに“猛暑日”という言葉がぴったりの一日。 当店の団子は、仕込みから焼き上げまで、すべて手作業で行っております。ひと玉ひと玉、丁寧にこねあげております。蒸したてのもち米を... -
心に寄り添う一杯――小宮園の「心葉」
この夏、当店に新しく迎えたお茶――その名も「心葉(こころは)」。 仕入れ先は、東京・板橋で昭和27年に創業した老舗茶舗「小宮園」さん。お茶とたばこを扱うお店として長く地元の方々に親しまれてきたお店で、昔ながらの誠実なお茶づくりを今も大切に守り... -
今この瞬間の涼を味わう、桜水もち
夏の暑さが日に日に増すこの頃、店内では涼を求めるお客様の声が聞かれるようになってきました。そんな中で、今年も密かに人気を集めているのが「桜水もち」です。 このお菓子、見た目はまるで透明な宝石。水信玄餅の中にそっと忍ばせたのは、ほんのり塩味... -
暑い日に思い出す、ところてんのこと
気温がぐんと上がると、食べたいものが変わってくる。冷たいそうめんやスイカもいいけれど、今日はふと「ところてん」が食べたくなった。 コンビニやスーパーでも気軽に手に入るけれど、ところてんという食べ物、実はとても長い歴史を持っている。調べてみ...
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