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異国の花
花の一つひとつにも、国を越えた物語があります。たとえばこの「リューカデンドロン(銀葉樹)」。南アフリカのケープ地方に自生し、17世紀にはオランダ東インド会社の船でヨーロッパへと渡ったといわれます。そのころ、ヨーロッパでは“未知の植物”として... -
秋の小さな灯り ― ツルウメモドキの物語
秋の訪れを告げる植物のひとつに、ツルウメモドキがございます。庭先や店先でその枝に小さな実をつける姿を見ると、季節の移ろいをしみじみと感じます。晩秋になると外側の殻がぱちりとはじけ、中から鮮やかな橙色の実が顔をのぞかせます。その光景は、ま... -
野点傘に込められた雅の心
店内を彩るこの大きな赤い傘は「野点傘(のだてがさ)」と呼ばれます。もともとは野外でお茶を楽しむ「野点」の場に欠かせない道具で、日差しや雨を和らげ、ひとときの茶の世界をしつらえる役割を担ってきました。 実はこの野点傘の形が広く知られるように... -
少し貴重になった抹茶のこと
近ごろ「抹茶が手に入りにくい」との声をよく耳にいたします。お客様の中にも、「スーパーや専門店で見かけなくなった」とおっしゃる方が増えてまいりました。実はこれには、いくつかの理由がございます。 まず第一に、抹茶は今や世界中で大人気。健康志向... -
白い実に宿る秋のしらせ
灯りのそばに生けた一枝、白い小さな実をつけた「スノーベリー」。和名では「雪晃木(セッコウボク)」と呼ばれ、秋の訪れを知らせる植物のひとつでございます。まるで雪の玉を縮めたような実は、北国の冬を先取りしたかのように静かな気配を漂わせ、眺め... -
旅先で出会った食の舞台
新潟へ今年の新米の買付に行ってきました。当店でお出しするおにぎりのお米は、新潟の「新之助」という品種。粒が大きく、冷めても美味しいのが特徴のお米です。新之助の刈り取りの時期は、9月末ということで契約農家さんにご挨拶に伺いました。今年のお米... -
向日葵に宿る夏の名残
いただきものの花を飾りました。ひまわりが、まるで太陽をそのまま映したかのように輝いています。その隣には、小さくも愛らしいオレンジ色の花が寄り添い、緑の葉が涼やかに伸びて、夏の盛りを感じさせてくれます。 ひまわりは「太陽の花」と呼ばれるだけ... -
こだわりのおにぎりの旅
おにぎりは、日本人にとって特別な食べ物だと思います。幼いころ、お母さんが作ってくれた遠足のお弁当。仕事や勉強で忙しい日のお昼ごはん。あるいは、ほっとひと息つきたいときに、手のひらに収まる小さな幸せとして寄り添ってくれる存在です。 当店では... -
千日紅と灯りに寄せて
秋の夜は、灯りの温もりがひときわ心に沁みるもの。今朝そっと行灯のそばに飾ったのは、小さな紅の玉のように愛らしい「千日紅(せんにちこう)」でございます。 その名のとおり、千日経っても色あせぬ花。摘んで乾かしても、なお鮮やかさを残すことから、... -
菊の香と小さなお雛様
九月九日、重陽の節句。店先に、菊の花とともに小さなお雛様を飾ってみました。三月三日の雛祭りとは違い、九月九日は「菊の節句」とも呼ばれ、大人の女性のための雛祭りとも言われます。幼き日の雛祭りが、成長を祈る行事であるならば、重陽の節句はこれ...
