こだわりのおにぎりの旅

おにぎりは、日本人にとって特別な食べ物だと思います。幼いころ、お母さんが作ってくれた遠足のお弁当。仕事や勉強で忙しい日のお昼ごはん。あるいは、ほっとひと息つきたいときに、手のひらに収まる小さな幸せとして寄り添ってくれる存在です。

当店では、そんな身近なおにぎりを、ちょっと贅沢に仕立てております。
お米は新潟県産の「新之助米」。粒がしっかりしていて、噛むほどにお米本来の甘みと香りが広がります。炊き上がった瞬間から、まるで宝石のようにきらめく姿を見ると、思わず背筋が伸びるほど。

そのご飯を包むのは、東京・大森にある老舗「守半海苔店」の海苔。潮風をまとったような香りと、歯切れの良さは、やはり本物ならではの魅力です。

お米と海苔を結びつけるのは、与那国島の塩。ほんのひとつまみで、全体の味わいがぐっと引き締まり、同時にお米の甘さを優しく引き立ててくれます。

中に忍ばせた具材も、またひとつひとつに物語があります。
紀州南高梅の「宝梅」は、果肉が柔らかく、ほどよい酸味が清々しい後味を残します。北海道の利尻昆布は、当店で丁寧に佃煮に。ほんのり甘く、旨み深く、飽きのこない味わいです。
鮭は、北海道の「時鮭」。脂がのっていながら、後味は驚くほどさっぱり。焼きたてをおにぎりに入れると、その香ばしさがまた格別です。
そして、博多の「ふくや」の明太子。粒がぷちぷちと弾け、ぴりりとした辛みのあとにじんわり広がる旨みは、ご飯との相性抜群でございます。

こうして仕上げたおにぎりは、まるで小さな日本列島。北から南まで、土地の恵みと職人の心がひとつに結ばれています。ひと口ごとに、旅をするように味わっていただけましたら嬉しゅうございます。

手のひらに握られた三角の中に込められた、やさしいごちそう。
どうぞ、召し上がる方の日常に、少しでも幸せの時間をお届けできますように。

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