立秋を目前にしても、まだまだ暑さは続いております。
日差しの強さに夏の盛りを感じながら、今日も涼を求めて、店の花を生け替えました。
今週の花は「クルクマ」。
まるで蓮のような、どこか異国の香りも漂うその花姿は、一見すると南国の花のようですが、実はショウガ科。
仲間にはウコンやターメリックなど、香辛料として馴染みのある植物も含まれています。
花のように見える部分は、実は「苞(ほう)」という葉の一種。
その奥にひっそりと本当の花を咲かせる姿は、まるで奥ゆかしい和の美意識そのもののようです。
はっと目を引く華やかさを持ちながら、どこか控えめで上品。
和室にもよく馴染み、玄関や客間に飾れば、空間全体がすっと清らかになります。
暑さに強く、水持ちもよいクルクマは、まさにこの季節の頼もしい存在。
涼やかさを添えるため、緑の枝ものと組み合わせ、白磁や信楽の器に生けてみました。
お客様がほっと一息つく瞬間に、この一輪がそっと寄り添ってくれたら嬉しく思います。
店内では冷たいお茶や自家製の甘味もご用意しております。
日差しを避けてのひと休み、お散歩がてらにでも、どうぞお気軽にお立ち寄りくださいませ。
皆さまのご来店を心よりお待ち申し上げております。

