梅雨が明け、緑も日に日に濃くなってまいりました。
遅ればせながら、かき氷の仕込みの季節がやってまいりました。
当店のかき氷は、昔ながらの「氷蜜(こおりみつ)」を大切にしております。
一般的には氷砂糖と水だけで作るシンプルな氷蜜ですが、味の深みを出すために3種類のお砂糖を配合して作ります。
氷蜜の材料は、氷砂糖、和三盆糖、そして素焚糖(すだきとう)の三つ。
それぞれの持ち味を引き出すよう、火加減と時間を見極めながら、じっくりことこと炊き上げます。
和三盆糖は、徳島と香川にまたがる讃岐地方の特産。
白下糖という特別な原料から手作業で作られ、舌にのせたとたん、すうっと溶ける上品な甘さが広がります。
お抹茶のお菓子に使われることも多く、そのやさしさは、まさに和の心。
一方、素焚糖は鹿児島県・奄美諸島のさとうきびから作られた含蜜糖。
自然なミネラルを含み、ほんのりと黒糖のような香ばしさと深いコクがあります。
精製しすぎない、まるで大地の味がするお砂糖です。
この二つを、透明感のある氷砂糖と組み合わせることで、
口当たりはやさしく、それでいて芯のある、琥珀色の蜜ができあがります。
お鍋の中でとろりと仕上がるその色は、どこか懐かしく、心まで温めてくれるようです。
ふわふわの氷に、この蜜をたっぷりかけて――また、氷蜜をベースに抹茶やほうじ茶、レモンなどさまざまなお味に仕上げてまいります。
素材そのものの風味を楽しんでいただける、そんなかき氷を、ご用意したいと考えております。
暑さにくたびれた日には、どうぞひと口、涼みにいらしてくださいませ。
発売が決まりましたら、またご報告させていただきますので、心よりお待ちしております。

