星に願う夜、旧暦の七夕

八月に入り、暦の上では秋を迎えたとはいえ、まだまだ夏の暑さは続いております。そんな中で訪れるのが「旧暦の七夕」でございます。七夕といえば七月七日と覚えている方も多いのですが、本来は旧暦で行われていた行事でありました。

旧暦の七夕は、ちょうど夜空が澄みわたり、天の川が最も美しく輝く頃にあたります。織姫と彦星が年に一度出会うというお話も、この季節の星空を背景に語られてきたのだと思うと、いっそう風情を感じます。

子どものころには、竹に短冊を吊るし、願いごとを書いた記憶がございます。短冊が風に揺れる様子は、まるで願いが空へと昇っていくようで、今も懐かしく思い出されます。当店では笹飾りを設けることはいたしませんが、心の中でそっと願いを込めるのもまた一興かと思っております。

七夕の行事食としては「そうめん」がよく知られておりますが、わたくしはこの時季に「おはぎ」をおすすめすることもございます。七夕の起源である「乞巧奠(きっこうでん)」という行事には、豆や餅を供える風習もあったと伝えられます。甘い餡に包まれたおはぎを味わいながら、夜空に願いを託すのも、旧暦七夕ならではの楽しみ方ではないでしょうか。

どうぞ皆さまも、今夜は夜空を見上げてみてください。ひときわ冴えた星々が、きっとその願いを静かに受け止めてくれることでしょう。


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