お盆の名残、透かし鬼灯の静かな美しさ

お盆の間に飾っていた鬼灯を、そのまま透かし鬼灯にしてみました。鮮やかな赤い実を包んでいた袋は、時を経て繊細な網目模様となり、まるで自然が編んだレースのよう。お盆には精霊を導く灯りとして飾られる鬼灯ですが、こうして透かし鬼灯になってからも、静かに部屋を照らすように佇んでいます。

子供の頃、鬼灯の実を笛にして遊んだ記憶を懐かしく思い出します。実をやわらかくして口に含み、ぷーっと鳴らしては、笑い合った夏休み。鬼灯はただの観賞用ではなく、昔の子供たちにとっては遊び道具でもありました。そうした身近さと同時に、魔除けや薬草としての一面を持っていたのも興味深いところです。咳止めや解熱に用いられたという記録も残っており、人々の暮らしに寄り添ってきた植物なのです。

透かし鬼灯が仕上がるまでには時間がかかります。水に浸し10日ほど水換えをしながら外皮が溶けるのをじっと待ちます。外皮をやさしく洗い流すとレースのような美しい網目の透かし鬼灯ができあがります。
この美しい網目。光に透かせば、赤い実が灯火のように浮かび上がり、儚さの中に不思議な力を宿しているように感じられます。

お盆に飾られた鬼灯が、役目を終えた後もこうして姿を変え、再び私たちの心を和ませてくれる。季節の移ろいとともに形を変える鬼灯に、日本人が古くから大切にしてきた「もののあはれ」を感じずにはいられません。小さな灯りが、今日もそっと日々を彩ってくれるのです。

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